『季刊 枯片吟』公式ブログ ~先天的失言者~

文学フリマに出展している『季刊 枯片吟』のブログになります。

2013-04-01から1ヶ月間の記事一覧

不意打ち

不意打ちにあった。完全に予想の範囲外であった。これまでの経験と勘から言えば、それのタイミングはもう少し先にあるべきであった。予測を誤ったとも言えるかもしれない。 電車の中の暑さがこたえる。夏はまだ来ない。髪を切るタイミングを逸した。ただ、…

薄暗い空

薄暗い空に、ぼんやりと光が見えて、タクシーの運転席の中年の男がひとり、子供とうまく会話が出来ない事を独白し、自分はただ眠りたい一心の頭でどうにか返事を返している。 コンビニエンスストアの看板の放つ光が妙に青白く、視界の隅に尾を引いた形で残…

真実はいつもひとつ

真実を求めるとは、何なのか、具体的な事実のみが全てを決めるのでは無いのか。朝晩考え続けた所で、もちろん意味の無い事だとはわかっているのだけれども、そこに屈しては、何も生まれない。

失敗

すごく何か書けそうな気がしていたのだけれども、何もかけず、失敗ばかりが続いている。

花と犬

小型犬、といってもチワワやプードルのような可愛らしいものではなく、もう少し獰猛な、四肢の長い犬が目の前にいる。自分は夢の中で、四歳くらいの少女になって、麦わら帽子を被っている。正確には、自分自身がその犬と相対しているわけではなく、どうも俯…

靴紐

靴紐がうまく結べない夢をみた。夢の中で僕は、スニーカーを履いていて、どうも足に違和感を感じていたのだが、やはり靴紐がほどけていたようである。 その日僕は、招待されていないパーティーに参加せねばならず、主催者からすれば、鼻つまみ者だろうと予…

残念すぎる

残念とは何なのか、念が残る、と言う事は、惜しい、後ろ髪を引かれる、去り難い、悔しさを忘れられない、口惜しいということなのか。右の肩が張っている。

単体深海魚

単体で生活をする事で知られるその魚は、これまでどのようにして広大な海の中で他の同種に出会うのかと言う事は、長い間研究の対象とされて来た。 その魚の名前は、ギオリオタチウオと言い、なぜそのような名前が付けられたのか、と言う事からして不明であ…

安っぽい朝日(その二)

世界はね、広大で、未確定なの、だから素敵なのよと、安子は真顔で言い、真顔であることにどうも狂気を感じてしまい、早坂は椅子を二歩ほど一気に引き下げた。未確定って、どういうことかわかる?と問われ、早坂は咄嗟に答えに詰まってしまうのだが、よくよ…

安っぽい朝日

子供がいますぐ欲しいわけではないけれども、ほら、やはり相手は東大?とか出てなくちゃダメでしょ、という、その「ダメ」の判定はお前だろ、と思いつつ、そんな事をいう相手など居ない事にも薄々気がつきつつ、今日も始まる。 今日は必ず帰りに歯ブラシを…

夢の発達

夢について語ることが、独白以上に、人前で語られる事が必要だとすると、事実は変わってくる。どうも最近言葉が過ぎるようだし、ある特定の文体に侵食されていると見れる向きもないわけではないのだけれども、僕は(ここで、僕というのがポイントだ)その日、…

太陽の光、月のあかり

ああ、またか、と思ったときにはすでに遅く、電車は最終が過ぎてしまっていて、過ぎたといっても、最寄りの駅に着く電車がなくなったということなので、それほど困窮はしないのだけれども、それは二駅前に止まる電車だから、タクシーかバスのいずれかは使わ…

憤怒

今日はもう、疲れました。正しくとも、正しくなくとも。

ハンバーガー

せっかく来たのだからここで帰るのはもったいないよ、と、小学からの友人が口火を切ると、各々が一斉に役を演じはじめ、あたりはさながら胡散臭い小劇場の様になり変わる。 幾人かで何かの役を演じてはいるのだが、その役が何なのかは、はっきりとしない。…

忘却

昨日、何を書いたのだか全く記憶がなく、そもそもなんのために書き続けているのかにも興味がなく、掃き溜めにゴミを流し続ける感覚すらあるなかで、それでも時折きらめく何かを見つけたかと思いきや、やはりそれは瓶の蓋か何かで、今時瓶ビールを家で飲むこ…

嵐が過ぎて

嵐が過ぎたものの、天気の良さに多少の高揚感はあるとはいえ、たくさん買い物をしたからと言って、すっきりするわけではないのと同様に、万事が全て丸く収まる、と言うわけにはいかないのであった。 どうも自分は、他人の夢に出演する傾向が高いようで、そ…

中指と薬指

中指と薬指の隙間が、開きすぎていると、一方的な想いばかり寄せて、ひとりごちて、独善的で、要するに自己中心的でわがままに他ならないと言う事ではないだろうか。 と、言う事よりも孤独の島で誰にも相手にされないまま過ごしているような、いや、それは…

ジャケット

少し、春らしくない、ファー付きのフードのついたコートを来た女の、対象的にカバンをかけた反対側の肩口が露わになっていて、鎖骨が余計強調されているのを見るにつけ、季節の変わり目が来たのかと思いきや、風は強く、気を抜くとまだ冷え込む日々が続きそ…

あーしんどい

朝から傘も大反転してふきのとうでも差して俺はトトロかと思い風に舌を巻く。舌を巻いたところで風雨が止むはずもなく容赦無く全身を吹きっさらし会社につく頃には濡れた犬のスパイシーな香りになっているのだろーなとため息をついて地下鉄の階段を降りると…

彼方

その歩道橋の上にはいつも焼き鳥の串だとか、バームクーヘンの食べ残しなどが落ちていて、茶色に塗装された歩道にいつも違和感を感じさせるのであった。雨の降った日には路面が滑りやすくなっていて、革靴で歩き始めると転倒しないように注意しなければなら…

短信

桜の花びらが、袖に入り込む今日この頃。