『季刊 枯片吟』公式ブログ ~先天的失言者~

文学フリマに出展している『季刊 枯片吟』のブログになります。

太陽の光、月のあかり

    ああ、またか、と思ったときにはすでに遅く、電車は最終が過ぎてしまっていて、過ぎたといっても、最寄りの駅に着く電車がなくなったということなので、それほど困窮はしないのだけれども、それは二駅前に止まる電車だから、タクシーかバスのいずれかは使わざるを得ず、歩いて帰るには急に肌寒くなって来たために選択枝には入れられず、ちょっと困るな、という程度であった。

    ちょっと困る程度であれば月を眺めながら歩いても問題ないかとは思うのだけれども、風の強さと、明日以降への体力の残り具合を懸念すると、やはり飲みすぎなければよかったと軽く後悔をしつつ、結局のところバスを選択するという、中途半端な行為に出てしまう。

   やはり、もう一度会わなければ良かったと、少し上体が左右に振れながら思いつつ、選んだ帰り方には取り敢えず後悔をしないことに決め、そのまま夜の街灯を眺める。

    明日になれば、日の光が眩しすぎると感じるのだろう。