『季刊 枯片吟』公式ブログ ~先天的失言者~

文学フリマに出展している『季刊 枯片吟』のブログになります。

鳥取にて2

店内は異様に明るく、この世にはここしかオアシスがないっといったような、そんな主張が込められたかのような光の加減であった。 私は、席に座り、東京で食べるのとなんら変わらないであろうそれを、待つ。すぐに丼は用意される。 隣には、誰もおらず店内の…

鳥取にて1

米子の駅に着いたのは、深夜バスに揺られて翌朝のことだった。新宿を出てから、十八時間は過ぎているのか、時間の感覚は、寸断される眠りと、一時間おきにとまるサービスエリアでの冷たい夜気とで、すでにわからなくなっていた。 私は、この何もない日々を…

休息

休息に入るまでの期間が、あまりにもばたついていたので、しっかりと休むことができるのか多少の不安を抱えていた。 休むにも体力のいるようになってきたわたしは、思い切って東京を離れることにした。わたしが東京を離れるのは、特段珍しいことでもない。 …

目の中に光が差し込むと、想像以上に眩しく、しばらくぶりに地上に出た地底動物が文字通り"日の目を見る"という感覚はこういうものなのだろうかと、瞬きの回数を増やす。 早く眠りに就こうとすればするほど、頭が冴え、長ったらしい本でも読めば、うとうと…

記憶

記憶以上に、改竄されやすいものもないなと思いながらも、酒を控えめに飲んでいたとしても、やはり、その空白は訪れる。それを防ぐ術が、知りたい。

きらめきが

今朝方だったのか、昨日だったのか、何かこういうことを書けばいいのではないかと、風呂の中でか洗面所の中でかふと思いつけた気がしたのだけれども、今になると何もない。 昨日のじゃがいもは、今朝になってポテトサラダに変わって出てきたのだけれども、…

じゃがいも

朝からじゃがいもを食べた。いわゆるふかし芋というものだ。水っぽくて食べられたものではなく、ふた切れほど口にして、箸を置いた。 塩気が少なく、まったくと言っていいほど味がなかったのだけれども、申し訳程度に添えられたバターの塩の味が、口の奥に…

引越し

どうも、引越しをするようだ。季節は春だった。風が強く、しかし心地よく吹いている。多少の埃と、春の香りが入り混じっていた。僕はまたその寮に入り直すようなのだ。しかも、僕の決断で。 三階の端の方に部屋を決めると、寮の敷地内にある円形のタワーの…

間隙

朝から電車が、少しづつ止まっては動き、動いてはまた発進しだすという状況が続いている。雪のせいだ。少し止まり、また動くこのぎこちなさが、なんだか酒を一通り飲み終わった後の、解散までの名残のようで、何か、釈然としないようで、納得のいかない訳で…

群れ

多くの群れが、波を打つように移動をしている。人のようにも見える。男たちの群れだ。黒いコートに、襟のあたりから赤いシャツをかろうじて覗き見る事が出来る。数百人は下らないだろう。 何のためにあれほどの人数が動員されているのか、推測することは出…

再開

新しいiPhoneにしてからというもの、身の回りでも様々な事があって、しばらく更新を休んでいたものの、そろそろ再開しなくてはと思いつつ、しばらくぶりにアプリを立ち上げてみる。 電車内の広告を見れば、怪しげな自社出版の田舎臭い著者の顔が無数に広が…

飛空挺

夕暮れのようである。通りは車も疎らな、二流の街といったところだろうか。薄紫の影が所々路地裏に侵食し、物寂しさを一層際立たせている。 暖簾だけは店構えの体として掲げられてはいるものの、店内はコンクリートの打ちっ放しの壁が露わになり、灰色にひ…

羽虫の夢

深夜の東京を歩いていた。先ほどまで、会社のそこそこ偉いメンバーと一緒に、と、言ってもいつの時代に自分が所属していた会社のメンバーなのかは、定かではないのだが、黒いスーツに頭から足の下まで統一され、闇に溶けるように足元が見えないままのメンバ…

第十七回文学フリマを終えて

長かった。明らかに準備の足りない文学フリマへの参戦だった。隣のブースが、かなりの人気ブースだったこともあって、自分のブースには見向きもされず、表紙も今回は用意をしなかったため、売れ行きは散々なものであった。 一番はやはり、内容が良くないこ…

その行動が

おかしいなと気がつき始めたのは、昨日ちょうど頭痛がひどくなり始めたころと同じタイミングで、やはり私は直感が働きすぎたのだと思い、それ以上その事に関わらないようにしていて、関われば関わるほど、気にすれば気にするほど負けだなと思い始め、それで…

怠惰な翌日

怠惰な翌日の割りには、節々の筋肉がうめきをあげていて、歩くのも怠く、結局少し遅れ気味の電車で出発する事になってしまった。行き先は会社で間違いないだろう。そのまま、何もしないのも気が引けて、携帯を見るふりをしながら、こうして何かしらの文章を…

雑記

とにかく、一週間が過ぎた。その間、東京から北海道へと飛び立ち、そしてまた東京に戻って来たわけではあるのだけれども、どうしたものか、調子は上がらず、朝から血圧が上がらないせいなのか、気圧のせいなのか、判然とせず、書けるものを、書ける風にだけ…

新しいiPhoneから

新しいiPhoneに変えて、書き心地、とでも言うのか、とにかく書くペースは上げなくてはならない時期に入っているのに、心の安寧だけを求め、何事からも逃げ出したい気分で、日々を過ごしている。 結局のところ、連休も対した文章を書くことができず、そのま…

つまらなくはない

教養、とはなんなのだろうか。世界への興味、といってしまうのは簡単ではあるものの。

みんなとは誰なのだろう

山だとか、川だとかの心象風景に自然が出てくる時は、大概が疲れている時であり、鼠が出て来てやれやれ言っている時というのも、疲れのせいなのだろうか。 そろそろ出発する時間であった。 彼は財布を持ったか、もう一度確認を行うと、朝食を牛丼屋で摂るか…

第十七回文学フリマに参加致します

このブログを開設し始めて、非常に乱暴な形で、ぽつぽつと、ほぼ毎日文章を書き連ねて来たわけですが、改めて、前回の超文学フリマには行わなかった、告知をさせていただこうかと。サークル名:季刊 枯片吟(キカン カレペンギン)ブース:B-17当日は、本人が売…

主演女優へのインタビュー

そのインタビューを行うにあたって、用意したものといえば、携帯電話だけで、かつ、録音機能の使い方がよくわからなかったので、メモだけで臨むこととした。私は編集者でもジャーナリストでもライターでもないのだけれども、インタビューを行わなければなら…

しばらく

長いものを書いていないな、と思いつつ。

のろのろと

のろのろと動く電車の中で、多少の慣性の法則に引きずられて、つり革にも掴まらず、両足を開いて立ち、鮮やかに過ぎいく黒い壁面の風景を眺めている。

献上

人を探していた。先輩にメンバーを集めて、献上しなくてはならないのだ。その献上は、人数が多ければ多いほどよかった。 しかし、自分は今のところその献上の人数に見合うメンバーをかき集めることができていなかった。 ひたすらに孤独であった。

熱のこもる中、外は雨が降りしきっている。贖罪をする間もなく陽は昇り、影を生み出しては消えていく。

指先

書き始めようと思ったとたん。知り合いに。

世の中

どこまで横暴がまかり通るのか。

どうかとおもう

世の中、どうかと思うから、どうかと思うことだらけ。

意図する酩酊

記憶がなくなるくらい酒を飲むと、どうもその時一番楽しかった記憶に関して失われてしまう気がしてならない。スムーズに酔うことができれば全く問題はないのだけれども、今、考えてみれば損をしていることはたくさんあったのかも知れない。 どんな事を言わ…