鳥取にて2
店内は異様に明るく、この世にはここしかオアシスがないっといったような、そんな主張が込められたかのような光の加減であった。
私は、席に座り、東京で食べるのとなんら変わらないであろうそれを、待つ。すぐに丼は用意される。
隣には、誰もおらず店内のだだっ広さが光の演出に照らされて際立つ。
どこに行くにも、金には余裕がなかった。昨日の自分とは違う自分が、目が冷めればいるようにも思えるのだが、預金の残高は一向に増えなかった。それだからといって、どこかにいけば増えるわけでもなかった。だから、深夜バスに乗って、昨日と今日の境目がわからなくなるくらいがちょうどよかったのかも知れない。
着いてから、砂丘に行こうと思っていた。ただ、動き出すにはあまりにも早く、あまりにも簡単に、牛丼を平らげていた。
続く。