『季刊 枯片吟』公式ブログ ~先天的失言者~

文学フリマに出展している『季刊 枯片吟』のブログになります。

2013-02-01から1ヶ月間の記事一覧

はじめに書かれるべき文言

はじめに書かれるべき文言が、パソコンを開くと既に画面の中に書かれていた。アイコンが明滅し、続きを書けといざなう様でもあるのだが、私はその続きに書くべき文言を知らない。部屋の中は冬特有の日差しの弱さと微小な埃のきらめきに満ちていて、まだきち…

小さな山頂にて

どこかわからないが、田んぼの畦道とも言えなくもない、閑散とした農道を歩いている。季節は秋ぐらいだろうか。風が柔らかく、肌寒さはそこまで感じない。田んぼだと思っていたのは実は玉ねぎ畑だったようで、どうも場所は北海道のようなのだが、遠くに見え…

乗り過ごし

昨晩、電車を乗り過ごしたわけではないにも関わらず、どうも違う地に来てしまったようだ。終電前後の電車の中は、アルコールやその他出処のわからないすえた匂いで充満し、席もまばらに人が斜めに座っている。 特に大酒をしたわけでもないし、体調不良や、…

雪山に行くらしい

雪山に行くらしい。行くらしいというのも、今が夢の中だとはっきりとしているからで、かつ、この雪山はどうやら以前にも来たことがあるようで、自分は友人たちを率いている。 バスの中は適度に暖かいのだが、窓には当然霜が出来ていて、手で触ると表面の氷…

エスカレーター

エスカレーターに乗ると、前後の会話がままならなくなる。特に下りで、前の人と話さなくてはならない時は、困ることが多い。 そういう場合は、ほとんどがゆっくりとした時間が流れるようで、風がおでこから前髪を撫ぜる用に通り過ぎ、あたりの照明も薄暗か…

色白坊主と壁穴(その2)

色白坊主と壁穴 - 『季刊 枯片吟』公式ブログ ~先天的失言者~ とにかく、その日はとても寒かったのを、彼自主はっきりと覚えていて、それは丁度今日のような、空気の乾燥した、底冷えのする日なのだけれども、どこかすがすがしい感じが大気の中に通底して…

色白坊主と壁穴

電車に間に合いそうにないが、取り急ぎ走ることにしてみた。大体の事は、走れば間に合うように出来ている。彼は経験則的に、その事を知っていた。少なくともあと、三分以内に改札を抜けていなければならなかった。 最初に間に合わないと感じた事は、いつの…

眼科有機物

コンタクトレンズが切れた。 切れた、というのは30日分のレンズを全て使い果たしてしまった、ということで、本来は土曜日に眼科に行っておけば良かったものを、火曜日まで引き伸ばしてしまった事が何よりも良くない。 そういう計算と、行き当たりばったりな…

電車が発車する

いつも通勤に使っている駅の、電光掲示板が、長い間「調整中」であったため、すっかりその存在を忘れていたのだが、今朝少し遅れ気味に駅にたどり着くと、アナウンス自体が変わっており、少し優しさを感じさせる柔らかい男性の声になっていた。 聞き慣れな…

招待状が見つからない

その家には六畳の畳の部屋と、台所と玄関があって、玄関は昔ながらの引き戸であった。おそらく、冬になって雪が積もると扉が開かなくなるためだろう。 そう推測するのは、本当は自分が一度もその家に住んだことがなく、これは夢を見ているからだと、自覚し…

超文学フリマ、参加決定

今朝方、少しアルコールが入っていたせいか、眠りが浅かったのか、三本立てで立て続けに夢を見る、というあまり経験をした事のない出来事があった。 夜半にかけて雨が降っていた事も原因の一つかもしれない。雨のリズムが、夢の中にも音楽を呼び寄せていた…

最初の記事

ブログを書くのは、一度や二度の事ではないのだけれども(mixiも8年近く、ぽつりぽつりと更新しているし)、それでも、最初の更新というのはどうも自分が記事を書いているような感覚はせず、まったく誰かに「書かされている」、という気分になるのは、どうし…