『季刊 枯片吟』公式ブログ ~先天的失言者~

文学フリマに出展している『季刊 枯片吟』のブログになります。

    目の中に光が差し込むと、想像以上に眩しく、しばらくぶりに地上に出た地底動物が文字通り"日の目を見る"という感覚はこういうものなのだろうかと、瞬きの回数を増やす。
    早く眠りに就こうとすればするほど、頭が冴え、長ったらしい本でも読めば、うとうととしてくるだろうと、その通り脳は少しづつ眠りに近づいているのだけれども、今度は反対に、蛍光灯の光を受けて体が起き出してしまい、ぼんやりとした意識の中で、足にかかる布団や、その温もりが、余計鋭敏に感じられもする。
    そうした、眠りと覚醒の狭間の中で思い出されるのは決まって、近々の仕事の事や、人間関係、とりわけ女のことなのだけれども、ひりひりとした焦燥感を与えるのはかえって、仕事での人間関係だったりもして、それがまた余計な意識への種火となって、やがて明けつつある空の気配を感じつつも、余計なことを考えずに寝ようと寝返りを打つ。
    はたと気がつけばすでに、もう朝になっていて、それが少し遅刻するくらいの時間帯なのだから、都合良く出来ていて、睡眠時間が少ないために疲れるといこともない。
   いっそのこと、もっと疲れてしまえばと。