『季刊 枯片吟』公式ブログ ~先天的失言者~

文学フリマに出展している『季刊 枯片吟』のブログになります。

不意打ち

    不意打ちにあった。完全に予想の範囲外であった。これまでの経験と勘から言えば、それのタイミングはもう少し先にあるべきであった。予測を誤ったとも言えるかもしれない。
   電車の中の暑さがこたえる。夏はまだ来ない。髪を切るタイミングを逸した。ただ、部屋からは抜け出していた。いつまでも部屋で膝を抱えているわけではなかった。
   じゃがいものように、すり潰されて、という表現は、どこまで妥当なのだろうか。本を読んで考える。その事とは今回は一切関係ない。
    断絶した空間でもがいていた彼は恐らく出口を見つけた。分裂していた因子の列が見え始める。