あーしんどい
朝から傘も大反転してふきのとうでも差して俺はトトロかと思い風に舌を巻く。舌を巻いたところで風雨が止むはずもなく容赦無く全身を吹きっさらし会社につく頃には濡れた犬のスパイシーな香りになっているのだろーなとため息をついて地下鉄の階段を降りると床が滑って転びそうになり前世はどんな悪いことしたのーとかそんなに許されない存在なのだろうかと俺は自問自答し始めてとりあえず壊れた傘をキオスクで買い換える。
会社までさほど時間はかからないのだがある程度の余裕は先ほどの強風に立ち向かうイベントですべて消費し尽くしてしまったので余計に忌々しく思うし何故こんな目に合わなきゃならないのか本当に神様は八百万柱いらっしゃるのか恨まれるとしたら粗末に扱われた傘の神様だけれどもそれは風のせいで俺はただコントロールと風向きの読みが合わなかっただけなのだからそれはもうゆるしてくれてもいいのではないかと舌を打つ。
本当どこまでついてないのか試してみたいものだがこう言う場合でも本や物語の登場人物は悪い女につかまったりするわけだがこちら悪い女にすらつかまりはしないのでそこまで媒体価値もないのかと風の合間に雨となって俺が溶け出してしまいそうでそのうち無数の報われない俺が俺に対して批判の風雨を曝しているのだなとようやく気がつき始めてあー結局は俺が悪いのね、と言うところに落ち着く。
電車に乗ってイヤホンつけて音楽をシャッフル再生で流しても全く雰囲気に合わないジャズなど流され始める物だから音楽の神iPod部門の方々にも今は見放されているのだと思いこうなったら徹底的に落ちるところまで落ちてみたいものだがそれも田舎の親などのことを思えばある程度優等生面するしかなくそろそろしんどさも頂点に達してくる。
あーしんどい。誰も助けてくれないし、わかってくれない事を理解しているが故に。
あーしんどい。