中指と薬指
中指と薬指の隙間が、開きすぎていると、一方的な想いばかり寄せて、ひとりごちて、独善的で、要するに自己中心的でわがままに他ならないと言う事ではないだろうか。
と、言う事よりも孤独の島で誰にも相手にされないまま過ごしているような、いや、それはそれで自分しか存在しないのだから、まだ納得が付くが、数多の他人が存在するにも関わらず、誰からも見過ごされているというのは、非常に気力を消費することに違いなく、ドアだとか空き缶程度は蹴飛ばしたくもなるのであった。
人から見過ごされていようが、仕事上ではなまじ存在してしまうため、余計にタチが悪く、利害関係の枠組みの中でしか評価(それも微量の)されないことは、本当に堪える事だった。
とはいえ、死にたいだとか、辞めたいだの、病んだだのと、本当にインに籠ることもなく、そういう浮遊間のある方が、ある種、地獄とも言い換えられるのではないだろうか。或いは、本当の地獄を知らない分、諦めがつかないというか。
結局は、独りよがりで、独白だけを残して、砕けて消えて行くのだろう。