『季刊 枯片吟』公式ブログ ~先天的失言者~

文学フリマに出展している『季刊 枯片吟』のブログになります。

ノーリファラ

   ノーリファラ
   参照元なし。ウェブサイトの解析において、どこから来たのかが不明である場合に使用をされる言葉。つまり、記事中のリンクをクリックして対象のサイトに辿りつくような場合ではなく、ブラウザへのURLの直接入力や、通信の際に記録の残らない、つまりメール文中のリンクや、アプリからのリンクも含まれている場合がある。まれに、システム的にリダイレクトという形式でのリンクの場合とも、途中で記録が失われ、ノーリファラに加えられる場合がある。
   ずっと、画面内の、参照元の項目を眺めていると、強かな頭痛を感じることがあるという。その痛みの参照元は、どこなのか。ストレスに起因するのか、それとも脳の中に疾患を抱えているのか。痛みの感覚は、自らの中にしか記録をされず、それは果たして本当にある痛みなのか、わからないまま、ずっと過ごす事となる。
   ノーリファラ
   根拠をずっと考え続けている。メールによる施策をうったのか、それとも、それ以外の何かなのか。
    ずっと、何故、今の自分の考えに至ったのかを考えている。理由はもちろん、幾つか考えられる。美意識の問題であったり、勝手に抱く倫理観の問題であったり。そのうちに、信念、つまりそれを放棄してしまえば自らが何者かわからなくなる概念の事、を、考えるうち、バランスがおかしくなって、椅子に座りながらパタパタと足踏みをはじめる。
   ノーリファラ
   参照元には、うすうす気がついている。認めたくないだけの事が、この世の大部分を占めている。