塵と埃
床に頃がった独白と、タバコの灰を、そのうち掃除しなければと思うのですが、既に二週間が経ちました。
早いものですね。椅子にカーディガンを掛けたり、さみしさがなり始めたりするわけではないのですが、一抹の空白のようなものが、部屋のどこかしらに漂ってはいます。
あなたが残して行ったものは、音楽のデータだけで、他はスッキリと持ち去ってしまったのですね。いつの間に準備なされたのでしょう。ダンボールにすれば、結構な分量になるし、あなた一人で運べるとは、到底思えないのですが、私が手伝った記憶がないのでおそらく、誰かに手伝ってもらったのでしょう。
もし、将来自分の部屋を持つ事ができるのであれば、書斎が欲しいのですが、私の部屋の物の多さからすると、どうもそれも高望みのような気がしています。
昨日、久しぶりに外に出ると、風が強く、髪がぼさぼさになったまま、元に戻らなくなってしまいました。案外昼過ぎに出掛けたにも関わらず、街は明るい活気を帯びているようで、白い絵の具に少しだけ青みを足したような、空気の透き通り方をしていました。沿道には人だかりが出来ていて、マラソン大会が行われていたようです。
マラソン大会と言っても、小学生か、中学生くらいの子供達が、ゼッケンをつけてひたむきに走っていました。気温はさほど高くなかったので、汗はかかずに済みそうですが、その分寒くて体が動かなそうでもありました。
何の話がしたかったのでしょうね。それではまた、部屋の塵と埃を眺める作業に戻ろうかと思います。